今日はITmediag本社におじゃましてONETOPIキュレーター養成講座を受講してきました。
参加して感じたことは、普段ブロガーミーティングでお会いする人が皆無だったこと。情報発信する人はそれぞれ個性豊かで好みも明確。媒体が集めるとき集まるひとに大きな偏りがあるのが普通ですが今回もそうでした。それだけではなくブロガーとキュレーターは似て非なるもの、ということも理解できた講座でした。
キュレーターという言葉はITmediaが作った
最近とみに流行りのキュレーターやキュレーション。日本においての名付け親がITmediaさんとは初めて手知りました。
キュレーションの始まりは2009年の7〜10月に起きた2つのサービス。ひとつはNAVERまとめであり、もうひとつはTogetter。ITmediaのONETOPIは若干遅れて始まったそうです。
しかし始まった頃は名称もなくなんとなくのものだった。
それに対して名前をつけようとしたのがITmedia。はじめは編集長という案もあったけれどONETOPIが目指すのは自社の発信する情報だけではなくてすべての情報を対象とする。するとそれは編集長では違うのではないか、自社の情報だけに閉ざされてしまう。ということで考えられたのがキュレーター。
キュレーターとはもともと図書館などの学芸員のことで初めて聞いた時に翻訳するとそういう役しかでてこなくて意味がつかめませんでした。学芸員を使うことになったそもそものもとは小学館のビッグコミックスピリッツで連載されていたマンガ「ギャラリーフェイク」から。主人公は正義のひとではないがモノの真贋を見極める力があり、それを活用して解決していった。
キュレーターとは
キュレーターは数ある情報の中から真贋と有用性を見極めいち早くその情報を伝える。ノイズを除去した適切なニュースを選んで見出しをつける編集者であり外部リソースをフル活用していく。
ブロガーはどちらかと言うと情報をそのまま右から左に流すのではなく、自分の目で見て耳で聞いて五感で感じ取り、自分自身の経験と知識を元にその情報を吟味し加工した結果を整理して自分のオリジナルな付加価値を加えて提供するもの。言うなれば記者。
対してキュレーターはできる限り一次情報をいち早く収集し、ノイズを除去して有用な情報を抽出しわかりやすい見出しをつけてそのまま提供する編集者的立場。
記者と編集者ですからかなり立ち位置が違う。場合によっては相対立するものだし、共同して一つの情報を有益な形にまとめ上げて、提供していく共同体。
つまり普段お付き合いしている人たちとは違う側の作業。出会う人が違ったのも自然なことでした。
わたくし自信について考えてみるともともと両方の立場だったのが、ブロガーの立場を色濃くしてきただけともいえます。ブログというものがまだこの世に存在しない頃、大好きなメーリングリストという仕組みを日本に広めようと公私共に全てをかけていましたし、その中の活動の一環で今で言うならキュレーター的なこともしていましたしブロガー的なことも、また講師的なことやまとめ役的なこともしていました。
キュレーターの位置づけは初めにまとめを聞いてわかった気になり、実際のキュレーターの方のお話を聞くうちにまたブロガーとの違いが不鮮明になり最後のQ&Aで質問させていただきすっきりしました。
ブロガーでもある方がキュレーターもしているので話の中で一部ごっちゃになって伝わってきたことがあるのが混乱の原因でした。より編集者に近く、しかし編集者とは異なり情報を自ら探し求めてそれを広めていく。貴社の要素をその部分では持ってしまいますが、自分の意見を伝えるのではなくあくまで編集にとどまるところは少し難しいかもしれません。常に自分の見方、意見を加えることを旨とするブログの書き方とは一線を画しています。
そしてツールとしてTwitterを活用することで文字数制限という古くて新しい問題とも直面します。わたくしのブログはネットで稼ぐプロから何度となく長文すぎる、難しすぎると苦言を呈され、数記事に分割して平易にすることも勧められました。マネタイズという観点からはまさにご指摘通り。でも、マネタイズが最優先では全くなかったのでご意見はお聞きするし自分でさえ常々そう考えてはいても変更はしていません。キュレーションをするためにはキュレーターとしてまったく違うアプローチが必要になります。ダメなところはダメと指摘することが大切と考えているわけですが、キュレーションではそれもちがい、よりニュートラルな立ち位置でノイズを取り除いたあとの情報は提供しなくてはなりません(編集でも編集方針があり、はずれるものは修正または扱わないのでこの表現はあくまで従来対比です)。
キュレーションするには
それぞれ方法論は違うようで個性であったり分野であったりによって変わるものの、RSSやTwitter、Facebookなどそのときどきで最も活発なツールを活用するのがひとつ。それと同程度に大事なのが特定サイトの定点観測。そして情報はかならずもとを当たること。英文サイトが元であればそのサイトを直接確認し翻訳情報を鵜呑みにしないこと。
どれも、実感として得意分野で痛感することです。たとえば英語が得意なだけのひとが圧力鍋調理の翻訳をしてもどこを割愛してどこが大事かはわからず見当違いになりがち。むしろ英語はそれほど達者でなくても圧力鍋料理のオーソリティーが翻訳するべき。このとき料理のプロというだけで圧力鍋使わないひとに頼んでもやはり無理。ちなみび原文にあたってもミスはつきものですが、オーソリティーならそのミスも気づくことができるから注釈入れるくらいは可能(講義に出ていない勝手に追加している部分です)
キュレーターの代表としてカレーブログ執筆者の飯塚毅さんが登壇されましたが、キュレーションする対象をよく知っていることという重要なことをまずあげられていました。
注意事項その他盛りだくさんでしたが別記事にまとめさせて頂きます。
このところキュレーションに相当する行為をほとんどしていないのでキュレーターとして申し込もうと思ったけれど例示ができないので申し込みはちょっとあとになりそうです、残念。
それにやりたい分野が多すぎるのも問題で、少し絞るべきで情報量や需要を考えつつ分野決めにも数日はかけねばいけないようです。需要のほどはわかりませんけど「みどりのカーテン・グリーンカーテン」といった絞り込んだ分野は意見を挟まなくても自分で何やっているんだと悩まなくて済む確率がほかより高いし、昨年国交省支援で養成講座受講した20名で全てを受講した約半数のうちのひとりなので、なにかしら情報発信しなければと考えていたので良いかもしれません。需要がどうなのかは大きな問題ですが。
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